2010年4月30日金曜日

春の叙勲・褒章

◇旭日双光章 元県知的障害者育成会長 木内喜美江さん 読売新聞
「面はゆいですが、地域の障害者のためにやってきたことを評価していただいたのだと思う」と、照れながら喜びを語る。1962年に生まれた次女は、4歳の時にダウン症と診断された。障害をもつ子供の親の間で、よく話題になるのは「働く場所が欲しい」ということ。障害者を受け入れる企業は少なく、学校を卒業しても、自宅にいる障害者が多かった。81年、障害者の保護者で作る「佐久市手をつなぐ親の会」会長として、障害者の共同作業所「佐久市共同作業センター(現・岩村田共同作業センター)」設立に携わった。県や市から運営費の補助はあったが、それだけでは十分でなく、バザーで運営費を補った。その後も、障害者支援の施設設立にかかわってきた。

◇旭日双光章 元県馬術連盟会長 中川可能作さん 読売新聞
競技だけでなく、馬や施設の管理も含めた「馬術」の普及に取り組んできた。県馬術連盟からは初の受章。「周囲のおかげで得られた栄誉」と謙虚に喜ぶ。金沢市八田町の馬事公苑設立の音頭を取り、連盟理事長、日本馬術連盟の副会長を歴任。2003年頃から「人のためになることを」と、障害者が乗馬によって心身共にリフレッシュできる「ホースセラピー」を始めた。不自由な体で馬に乗るのは怖いもの。それだけに、緊張していた人の表情が徐々に和らぎ、元気になって帰って行く姿を見たときは、「うれしさがこみ上げた」と感慨深げに話す。

◇瑞宝単光章 「笑顔に救われてきた」知的障害者施設元次長・涌井常吉さん 毎日新聞
「知的ハンディを持つ人の支援のため、コツコツ仕事をしている職員の代表としていただいたのだと思う」と控えめに喜びを語る。障害者支援に取り組むきっかけは高校時代の活動。奉仕団体のメンバーとして施設に出向いたが、最初は明るいイメージが持てずに足取りも重かった。ところが、一緒に遊ぶうちに明るくて楽しい人たちであることを肌で感じ、「こういう人とかかわる仕事もいい」と考えるようになった。

◇ふれあい大切に25年ーー「ボランティアしゃくなげ」大沢登美子会長 毎日新聞
緑綬褒章を受章した「ボランティアしゃくなげ」は84年9月に山県市伊自良地区の女性有志が集まって結成した。初代会長の野村照子さんが急逝した後、01年4月から大沢登美子さん(61)=山県市小倉=が2代目会長を受け継ぎ、福祉活動を25年余り支えてきた。グループ名は旧伊自良村にかれんに咲く「しゃくなげ」にあやかった。「できるときに、できるだけ、できる自分に感謝」が会のスローガン。「みんなが無理をせんと、やれることをやろうという意味です」と大沢さん。

◇「これからも地道に」黄綬褒章・みのわ育成園、佐々木秀一さん 毎日新聞
「連絡をいただいた時は、なぜ私がと思った。長年続けてきた活動が認められたことは、とてもうれしい」。佐々木さんは、受章の連絡を受けた時の率直な気持ちを、このように話す。知的障害を持つ弟と暮らす中で「自分のちょっとした助けが、障害者の大きな支えになる」と気付き、福祉の道を志すようになったという。大学時代は養護学校などでボランティア活動に取り組み、その思いは一層強くなった。「障害者やその家族の喜ぶ顔を見るのがうれしかった」

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